1.まず、妹紅が他の誰かとくっつこうとします。 2.すると、輝夜がその妹紅の「誰かとくっつこうとした過程(歴史)」を時間の最小単位(須臾)に縮めて、「ほとんど無かったこと」にします。 3.ほとんど無かったことにされた歴史に気付けなくなった妹紅は、また他の誰かとくっつこうとします。こうして、1と2を何度か繰り返します(この時点では、歴史は見えづらくなっているだけで、改ざんされてはいません)。 4.もともと、慧音が歴史を食べる能力を持っているために「歴史を喰らい、改ざんする能力を持つ妖怪がいるのでは」という噂が立っています。 (この時点では、歴史を俯瞰で見る慧音も、他のみんなも、「噂は噂だ」としか思っていません) 5.輝夜が、「75日で消える程度の噂」を、永遠を操る能力で引き伸ばし、「昔からある、永遠に続くほどの伝承」に変えてしまいます。 6.噂の時点では、「そんな妖怪はいない」はずだったのが、永遠の伝承になったことで、「その妖怪がいる可能性が高くなる」ことになります。伝承のレベルが、それほどに上がっているためです。 (妖怪が伝承どおりにいることが常である幻想郷ならば、もっと大きな確率でその妖怪は存在しているかも知れません) (この時、最初から歴史を俯瞰していて「噂がある」とずっと思っていて、噂の長さなど気にも留めていない慧音と、永遠を生きているために「昔からある」と「最近ある」の違いが曖昧な妹紅には、噂が伝承になったことがよくわかりません) 7.慧音は「あくまで噂だ」と思っているため、「歴史を改ざんする伝承の存在」に気付けません。それゆえ、その伝承が何かをしたとしても気付けないままです。 8.それを利用して、輝夜は慧音に気付かれないまま、「須臾にした歴史」を全部、自分だけのものにしてしまいます。この時点で、輝夜を含めたみんなの歴史は、違う歴史に改ざんされます。この一連の改ざんは、伝承にある妖怪がやったことになっています。 (妹紅が誰かとくっつきかけた歴史をほとんど無かったことにした上で、輝夜はそれを自分の中に隠し、隠した歴史を独占しています。それゆえ、全ての歴史を知るのは輝夜のみになります) 9.こうして、正しい歴史は全て隠されたまま、改ざんされた歴史が進むことになったのです。 10.この話の最大のキモは、そこまでの労力と手間をかけている間もずっと、輝夜のツンデレと妹紅の鈍感は治らなかったということだと思います